こんにちは、ごきげんくんです!
あしたの健康づくり研究所では、衛生工学衛生管理者、健康経営エキスパートアドバイザーの免許・資格を有するごきげんくんが、健康づくりの秘訣や健康管理のアドバイスを発信しています。
はじめに
健口の重要性
先日約2年ぶりに歯科検診を受けたところ、中度の歯周病と診断されました。2年前の検診では、きれいに歯磨きができていることを褒めてもらい、安心していました。
虫歯はなかったのですが、加齢に伴い虫歯リスクよりも歯周病リスクの方が高まり、より危険だということを教えていただきました。
健口(健康な口腔環境)の維持の大切さを改めて実感するとともに、「健口」が体の「健康」と密接に関係していることを知りましたので、歯周病の早期発見・予防につなげていただきたく、記事にすることにしました。
歯周病の基礎知識
歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨が炎症を起こす病気で、放置すると歯を失う原因にもなります。早い段階ではほとんど自覚症状がないため、「サイレントディジーズ(沈黙の病気)」とも呼ばれています。日本では成人の約80%が歯周病にかかっていると言われ、予防と早期発見が極めて重要です。
歯周病の進行具合:
- 軽度の歯周病: 歯ぐきに軽い炎症が見られ、歯周ポケットの深さは3mm以下です。
- 中度の歯周病: 歯周ポケットが4~5mmになり、歯石が溜まっている状態です。
→ごきげんくんの歯の数本がこの状態であると指摘されました
- 重度の歯周病: 歯周ポケットが6mm以上になり、歯を支える骨が失われてきます。
まさか自分が歯周病になっているとは、とても驚きました。歯科検診を通して、早期に発見できたことに感謝です。
歯周病の初期症状
歯周病の初期段階では、以下のような症状が現れることがあります。しかし、最初は自覚症状がほとんどないため、定期的な歯科検診を受けることが大切です。
- 歯ぐきが赤く腫れたり、出血したりする
- 歯ぐきが腫れて、押すと痛みが感じられる
- 口臭が気になる
- 歯がぐらつくことがある
忙しい時や疲労が蓄積しているときに、歯ぐきが腫れたり、歯みがきの際に出血したりすることがありましたが、大して気にかけていませんでした。今思えばそれが歯周病のサイン・予兆だったのかもしれません。
歯周病が全身に与える影響
心疾患
歯周病と心疾患との関連性については、多くの研究者が指摘しています。例えば、Desvarieuxら(2003)の研究によると、歯周病患者は動脈硬化や心筋梗塞のリスクが2倍近く高いとされています。また、歯周病菌が血液を通じて動脈に入り込み、動脈硬化を引き起こす可能性も示唆されています。
糖尿病
歯周病は糖尿病患者において特に深刻な影響を及ぼすことが知られています。Grossiら(1997)の研究では、歯周病患者が適切に治療を受けることで、HbA1cが平均0.4%改善することが確認されています。歯周病が改善されることで、糖尿病の管理がしやすくなることが示されています。逆に、糖尿病患者の約50%が歯周病を患っているというデータもあります。
認知症
歯周病と認知症の関連についても注目されています。PubMedの2020年の研究によると、歯周病患者は認知症のリスクが1.22倍高いとされています。また、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)が脳内でアミロイドβを産生し、認知症の進行を促す可能性があることが、九州大学の研究で確認されています。
これらのエビデンスから、歯周病は単なる口腔内の問題にとどまらず、全身の健康に大きな影響を及ぼすことがわかります。歯周病の予防と早期治療は、健康を守るために非常に重要です。
まとめ
歯周病は進行する前に早期発見し、治療や予防を行うことが最も効果的です。進行すると歯を失うだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。定期的な歯科検診を受けることで、歯周病を早期に発見し、軽度の段階で対処することができます。
わたしの場合、初回の歯科検診から2週間後、あらためて治療をしていただきました。歯茎の炎症がおさまるまで日数を置く必要があったようです。
歯科医院での口の中の掃除と治療、そしてセルフケアの成果もあって、2週間後には歯周ポケットの深さが改善され、「軽度」歯周病の状態にまでよくなりました。
ぜひ皆さんも、歯周病の予防と早期発見を意識して、健康な口腔環境を維持していただきたいです。
次回は、歯周病の予防という観点からもう少し深堀りしたいと思います。