こんにちは、ごきげんくんです!
あしたの健康づくり研究所では、衛生工学衛生管理者、健康経営エキスパートアドバイザーの免許・資格を有するごきげんくんが、健康づくりの秘訣や健康管理のアドバイスを発信しています。
前編の記事では労災二次健診の概要について解説しました。
まだご覧になっていない方は、本記事の前にこちらをお読みください。
後編の本記事では、労災二次健診を受診するための要件、検査内容等について解説していきます。
このような方におすすめ
・労災二次健診を受けることが出来るか知りたい
・従業員の健康管理に利用したい
・無料の健診の中身について知りたい
・労災二次健診を受けるべき理由を知りたい
目次
労災二次健診の受診要件を確認しましょう
労働者であること
労災二次健診は労働者災害補償保険法に規定される健診です。そして労災保険は労働者のための保険制度ですので、その対象者は労働者です。
「労働者」というとざっくりとした表現ですが、会社に雇われている方が対象です。
パートやアルバイトの方も対象です。
一方、一部例外はありますが、社長さん等経営層の方は労働者ではないので、対象外です。
その方が、労災保険に加入しているかどうかが一つの判断基準となります。
脳・心臓疾患の症状を有していないこと
「一次健康診断またはその他の機会で、医師により脳・心臓疾患の症状を有すると診断された場合、二次健康診断等給付を受けることはできません」と規定されています。
労災二次健診の本来の目的は、脳疾患や心臓疾患の発症予防にあります。既に症状がある方は医療機関を受診する、既に加療中の方は治療に専念してください。
健診を受診し、指定の検査項目で「異常所見あり」と診断された方
まず、会社の健康診断等の一次健診を受けて、異常所見ありと認められた方が対象です。
指定の検査項目や目安となる数値については、以下の表をご参照ください。
ここでのポイントは、原則、指定検査項目の全てにおいて以下の異常所見が認められることが必要ですが、全項目に該当しなくても、医師が必要と判断すれば、労災二次健診の対象になる可能性が高いことです。
つまり数値だけにとらわれず、医師の判断が優先され、医師が労災二次健診を受けることを推奨するならば、たとえ1項目の該当でも受診可能ということです。
指定検査項目のすべてにおいて有所見であった場合、動脈硬化性疾患(脳梗塞、心筋梗塞等)の発症リスクが極めて高くなります。
4項目すべてに該当しなくても、会社の産業医や主治医に相談のうえ、労災二次健診を受診することをお勧めします。
労災二次健診を受診する際には、受診要件を確認・証明するため、一次健診の結果表を健診センター等に提出する必要がありますので、なくさないようにしてください。
一次健診受診後、3か月以内であること
原則、一次健診受診後、3か月以内に労災二次健診を受診する必要があります。
しかし、健診センターから結果表が届くのが遅かったり、医療機関の都合で、期限内に労災二次健診の予約がとれないことがあります。
この3か月はあくまで目安と考えていただき、3か月を過ぎている場合でも、労災二次健診を受診する医療機関にご相談してください。
私の経験上、3か月を超えても問題なく受診可能です!
年度内に労災二次健診を受診していないこと
精密な健診ですし、無料で受診可能な制度です。年度内に複数回の受診はできません。
もし偽って受診した場合、30,000円程度の費用が全額自己負担になりますよ。
労災二次健診の内容について
採血、心臓エコー検査、頸動脈エコー検査、特定保健指導を行います。
受診する医療機関によっては、複数日にわけて受診する必要があるかもしれません。
精密な検査ですので、採血から特定保健指導まですべてを1日で実施する場合には2~3時間かかる場合もありますので、時間の余裕をもって受けるようにしてください。
健診の詳細
採血では一次健診で実施した検査項目とほぼ同じものを測定し、一次健診時と比較します。
健診の詳細については以下のとおりです。
さいごに
本記事では、労災二次健診を受診するための要件、検査内容等を中心に解説しました。
いかがでしたでしょうか?
労災二次健診の魅力は精密な内容の健診+特定保健指導を無料で受けられるところにあります。
定期健康診断や人間ドックで、心臓エコー検査や頸動脈エコー検査を追加される方は少数ではないでしょうか。
私が健診センターに勤務していた際、エコー検査を実施し、別の病気が発見され、即入院し、手術が必要となった方もいらっしゃいました。日頃の健診でチェック出来ていないところも労災二次健診でチェックすることが可能です。
受診要件を満たすのであれば、積極的に受診し、日ごろの健康管理に役立ててください。
そして是非、ご家族やお知り合いの方にも勧めてあげてください!